Q. IFRSで採用する耐用年数は、何を基準にして決めるべき?
A. 期待効用の観点から「利用する期間」をベースに判断することになります。
現行、大多数の日本企業では税法に従い、税法に定められた耐用年数を採用しています。IFRSにおいては、期待効用の観点から、資産の利用状況、稼働状況を加味し、実態に即した耐用年数を設定し、減価償却計算の実施を要求しています。この耐用年数の設定は、過去の実績を根拠に、例えば、除却までの平均使用期間を基準に決定する方法があるといわれています。また、耐用年数については、毎期見直しを行い、資産の利用状況と一致する手続きも必要となります。

Q. 耐用年数の検討にあたって、他社はどのように進めている?
A. 現行の耐用年数については、一部のみ見直す方針の企業が多いです。
IFRS基準上は、実態に即した使用期間を見積り、全資産の耐用年数を見直す必要があります。基準通りに使用期間をすべて見直す方針か、あるいは現行の耐用年数が使用実態に即していることを説明して、現行通りの耐用年数を使用するかといった2つの選択肢が考えられます。実際の事例として多いのは、重要性の大きい固定資産のみに絞って現行の耐用年数から見直し、重要性の乏しい資産は引き続き現行通りの耐用年数を用いるといった、2つの選択肢の間を取る考え方のようです。